ハローワークから応募があり、面接をしたあとに結果を報告する「採否通知書」。
不採用だった場合、理由を書く欄を、空欄のまま提出していませんか?
忙しい採用担当者からすると、「不採用にしたことは伝えたのだから、それで十分では?」と思うかもしれません。
しかし、ハローワークで33年間勤務した私の経験では、実はこの不採用理由が、その後の採用活動に大きく影響することがあります。
不採用理由を具体的に伝えることは、応募者のためだけではありません。
会社にとっても、ハローワークとの信頼関係を築き、ミスマッチの少ない紹介につながる大切な情報になります。
今回は、採否通知書に不採用理由をきちんと記載するメリットについてお話ししたいと思います。
ハローワーク 採否通知書とは
ハローワークから紹介された応募者を選考した場合、会社には採否結果を報告する必要があります。
ハローワークでは、紹介した応募者が採用になったのか、あるいはなぜ不採用になったのかという情報を、今後の職業相談や紹介業務に活用しています。
採否通知は単に採否を報告するだけでなく、自社の求める人物像や採用基準をハローワークに伝える役割があります。
つまり採用担当者が記載した不採用理由は、次回以降の紹介精度を高めるための大切な情報になるのです。
不採用理由を回答する意味とは?
会社のメリット
不採用理由が具体的に分かれば、次回の紹介時の参考になります。
具体的な理由(参考になる)
- 接客経験が不足していた
- 経理経験が必要だった
- パソコン操作は問題なかったが電話対応経験が不足していた
- 夜勤対応が難しかった
曖昧な理由(参考にしにくい)
- 条件に合わない
- 総合的に判断
後者のように書かれていると、何が不足していたのかが分かりません。すると、同じような人を紹介してしまう可能性があります。
会社からすると、「また似たような応募者が来た」という状況になりかねません。
不採用理由を具体的に書いておけば、ハローワーク職員が会社の求める人物像を理解しやすくなり、会社と応募者のミスマッチが減って、採用活動の効率化につながります。
私はこれが、採否通知書を丁寧に書く最大のメリットだと思っています。

ハローワーク職員は採否通知を意外と見ている
採用担当者の中には、
「提出したら終わりでしょ」
「たくさん届くんだからじっくりコメントなんて読まないだろう」
と思われる方もいるかもしれません。
しかし、職員は採否結果を丁寧に見ています。
会社からの情報は、職員間で共有され、求人募集を受け付ける際にも役立てられています。
たとえば、応募者の多くがパソコンスキル不足で不採用になっていた場合は、
◎必要なスキルレベルが伝わるよう仕事内容の記載を工夫する
◎必要な経験を詳しく記載する
といったアドバイスができます。
不採用理由は伝え方によってはトラブルにつながることもあるので、職員は、会社が書いた内容をそのまま応募者へ伝えることはありません。
ただ、応募者から「なぜ不採用だったのか」と相談されたときには、会社が記載した内容がアドバイスの参考資料になります。
また、職員が「会社が求めるスキル・人物像」を理解する材料にもなります。
◎どのような点を重視しているのか
◎どのような人材を求めているのか
こうした情報が積み重なることで、紹介の精度は高くなります。
結果として、会社側にもより適した応募者を紹介しやすくなるのです。
【事例】不採用理由は何?
店長職を希望している応募者のAさん。
店長としての接客スキルや実務経験は豊富なのに、なぜか不採用が続いています。

何社も応募していますが、いつも不採用です。
何が原因なのでしょうか?

職員
今回の会社からは、「店長としての経験は十分だったものの、受発注システムに必要なパソコンスキルに不安があった」というコメントがありました。

パソコンスキルか・・・。

職員
パソコン講習を受けたり、パソコンを業務で活用していたことが伝わるように職務経歴書を見直したりしましょう。
もし会社が「コメント」を記入していなければ、このような具体的な助言は難しくなります。
会社が記入した一言が、求職者の次の一歩につながることも少なくないのです。
まーちゃんのひとりごと
職業紹介業務では、毎日たくさんの会社に応募連絡し、採否結果を受け取りますので、その会社がどのように応募者と向き合っているかは自然と伝わってきます。
採否結果をきちんと返してくださる会社には、採用活動にも誠実な印象がありました。
そして、不採用理由を丁寧に書いてくださる会社は、「どんな人が活躍できる職場なのか」が見えやすく、求職者にも説明しやすいのです。
元職員として、ぜひ不採用理由を具体的に書いていただきたいな、と思っています。
まとめ
不採用理由を記載することには、次のような意味があります。
- 求職者への今後のアドバイスに活用できる
- ハローワークが会社の採用基準を理解できる
- 次回以降の紹介の精度が向上する
- 会社と求職者のミスマッチ防止につながる
- 採用活動の効率化が期待できる
採否通知書は「採用・不採用を伝えるためだけの書類」ではありません。
未来の採用成功につながる大切な情報です。
ぜひ結果だけでなく、その理由もできる範囲で記載してください。
その一手間が、次の良い人材との出会いにつながるかもしれません。
よくある質問(Q&A)
Q1. 不採用理由は必ず詳しく書かなければいけませんか?
💡必須ではありません。
ただ、具体的に記載した方が、ハローワークが会社の求める人材像を理解しやすくなります。
Q2. 求職者にそのまま伝わるのでしょうか?
💡そのまま伝えるわけではありません。
応募者からフィードバックを求められた場合に、職員が内容を参考にしながら、今後の就職活動に役立つ形で助言します。
Q3. 「総合的に判断」だけではダメですか?
💡提出自体は可能ですが、何が不足していたのか分からず、その後の紹介業務に活かしにくくなります。
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