遅刻などで本来労働をする時間に労働しなかった分と、残業代と相殺することはできるのでしょうか?
今回は遅刻と残業相殺についてわかりやすく解説します。
残業代とは
労働基準法は、使用者は、休憩時間を除き、労働者を1週に40時間、1日に8時間を超えて労働させてはならないと定めています(労働基準法第32条)。
これを法定労働時間といいます。
この法定労働時間を超過した時間に対して残業代を支払わなければならないとされています。(労働基準法第37条)
遅刻と残業代の相殺は可能か?
相殺ができる場合
遅刻した当日の労働時間が8時間以内であれば、残業代との相殺が可能です。
例えば、1時間遅刻をした日に、1時間残業した場合、その日の労働時間は法定労働時間内の8時間であるため残業代は発生しません。
その日の業務開始以降の実労働時間で8時間を超えた部分についてのみ割増賃金が支払われることになります。
相殺ができない場合
1時間遅刻をした翌日に1時間残業した場合は、その翌日には8時間以上労働したことになるため残業代が発生します。
遅刻をした時間分の賃金と残業代と相殺することができるのは当日のみです。
また、月曜日から木曜日に各2時間残業した分を金曜日に残業代休をとることで、相殺するなど、現に行われた時間外労働を、代休を取得させることで相殺することはできず、割増賃金の支払い義務もなくなりません。
残業代が減る?
残業時間を計算する際に、残業時間から、別の日の遅刻・早退などの時間を相殺し、残業時間を少なく計算することは認められません。
もし、当日以外の相殺が行われたため、残業代が減ったのなら賃金未払いとなります。
【事例】遅刻して残業する人
今日、寝坊して1時間遅刻したんだ
あら?大変。
でも、1時間残業したから遅刻は帳消しにしてもらえたんだよ。
遅刻して残業する人は信頼されなくなるから寝坊しないようにね。
まーちゃんのひとりごと
当日の遅刻と残業相殺は従業員にとってもありがたいかも知れませんね。
遅刻および早退に関して同日調整を可能とすると、勤怠が乱れることにもつながりますので、やはり遅刻は厳禁ですね。
【遅刻して残業】相殺は可能?残業代が減る?遅刻して残業する人について解説!のまとめ
いかがでしたか?
法定労働時間に基づき、遅刻や早退も翌日以降の残業と相殺はできないことを解説しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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