最低賃金の改定は、働く私たちにとってとても重要です。
でも実際のところ、「新しい最低賃金って、いつから適用されるの?」「月給制で働いている場合は、どうやって計算するの?」といった疑問を持つ方も少なくないと思います。
この記事では、最低賃金が「いつから」適用されるのかという基本ルールから、「月の途中で変更になった場合」の計算方法、そして月給から「時間給」への換算方法まで、わかりやすく解説します。
月の途中で時間給が変わる!
適用はいついから?
最低賃金の改定は、各都道府県の労働局長が定めた「発効日」から効力を持ちます。
これは、会社の賃金締切日とは関係ありません。
たとえば、賃金締切日が毎月20日であっても、最低賃金の発効日が11月1日であれば、その日以降の勤務には新しい最低賃金が適用されなければなりません。
つまり、発効日をまたぐ支給対象期間の場合、会社は旧賃金と新賃金を日割りで分けて計算する必要があります。
月給の計算方法
月給制の場合、最低賃金の改定が月の途中で行われると、給与計算が少し複雑になります。
例えば、支給対象期間が10月21日から11月20日で、最低賃金の発効日が11月1日だったとしましょう。
この場合、会社は10月21日から10月31日までの労働時間を旧賃金で、11月1日から11月20日までの労働時間を新賃金で計算し、それぞれの金額を合算する必要があります。
そして、その合算額が最低賃金を下回っていないかを確認し、足りない場合は差額を支払う義務があります。
つまり、発効日をまたぐ支給対象期間の場合、会社は旧賃金と新賃金を日割りで分けて計算する必要があります。この点を見落とすことなく確認しましょう。
【事例】最低賃金が月の途中で上がったら、どうやって計算するの?

僕の会社は月給制なんだけど、最低賃金が11月1日に上がったって聞いたんだ。給与期間は10月21日〜11月20日なんだけど、どうやって計算するの?

(筆者)
実際の数字で一緒に計算しましょう。
読者くんは、埼玉県の会社に勤めています。
月給が20万円で、1日の労働時間が8時間です。
今回の支給対象期間(10月21日〜11月20日)を前半と後半に分けます。
📆 前半:旧最低賃金期間(10月21日〜10月31日)
- 労働日数:9日間(平日のみ)
- 労働時間:9日 × 8時間 = 72時間
- 旧最低賃金(例:埼玉県 1,078円)
→72時間 × 1,078円 = 77,616円
📆 後半:新最低賃金期間(11月1日〜11月20日)
- 労働日数:13日間(平日のみ)
- 労働時間:13日 × 8時間 = 104時間
- 新最低賃金(例:埼玉県 1,141円)
→ 104時間 × 1,141円 = 118,664円
💰 合算して最低賃金を満たしているか確認!
- 合計:77,616円(旧)+118,664円(新)=196,280円

僕の月給は20万円だから、最低賃金はクリアしてるってこと?

(筆者)
そうですね!最低賃金は時間給で定められているため、月給制であっても、時間給に換算して計算する必要があります。

なるほど〜。最低賃金を旧と新で日割りで分けて計算するって、こういうことなんだね。ありがとう!

(筆者)
こういう計算を会社任せにせず、自分でも確認できると安心ですね。
最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。
最低賃金の計算に含めてはいけない手当もあります。
詳しくは👇
・令和7年度地域別最低賃金の全国一覧
・最低賃金の対象となる賃金|厚生労働省
まーちゃんのひとりごと
最低賃金法はとても強い法律です。
たとえ会社と本人が「この金額でいいよね」と合意していても、最低賃金を下回っていたら、その契約は無効。法律がしっかり守ってくれます。
もし最低賃金より低いお給料を払っていたら、会社には罰則が科せられます。
このルールは、正社員だけでなく、パートやアルバイトにも適用されます。
まさに、最低賃金法は働くひとの生活を保障するための重要なセーフティネットです。
【最低賃金】月の途中で時間給が変わる!月給の計算方法と適用はいつから?について解説のまとめ
最低賃金の改定は、発効日から即時適用されます。
毎年の改定時には、自分の給与が適正かどうかをチェックする習慣をつけましょう。
安心して働くためには、こうした知識が大きな力になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。




コメント