そもそも、会社は従業員に残業をどのくらいさせることができるのでしょうか?
今回は、求人票の残業表記を読み解くために、これだけは知っておきたい残業のポイントについて解説します。
残業時間とは
残業には、労働基準法で定められた原則1日8時間、週40時間を超えて行われる「法定外残業」と会社で定められた所定労働時間を超えても法定労働時間内におさまっている「法定内残業」の2つがあります。
36協定とは
36協定とは、労働基準法第36条に定められた労使協定のことです。
36協定が必要な残業は法定労働時間を超える残業に対してです。
従業員に法定労働時間を超えて労働させたり休日労働をさせたりする場合には、会社と従業員の間で協定を結び労働基準監督署に届け出なければなりません。
36協定を締結している事業場割合は、55.2%、特別条項付きの協定を締結している割合は全体の22.4%です。(我が国における時間外労働の現状)
残業があったとしても、法定外残業が発生しなければ36協定は不要です。
1ヶ月の残業時間の上限は?
36協定で定められている残業の上限時間は月45時間・年360時間です。
(1年単位の変形労働時間制の残業上限は月42時間・年320時間になります。)
臨時的な特別の事情がなければ、これを超えることはできません。
年360時間が残業の上限なので1ヶ月の平均では30時間くらいまでですね。
特別条項とは
残業時間の上限は月45時間・年360時間でこれを超えることはできませんが、特別条項付き36協定を結ぶことにより、臨時的な特別の事情があれば上限を超えての残業が可能になります。
その場合でも、1ヶ月100時間未満・年720時間まで・1ヶ月の限度時間を超えることができるのは年6回までで、以前のような青天井ではありません。
特別な事情があったとしても年720時間を超えることはできません。
特別の事情とは
残業の限度時間を超えることができる特別の事情とは?
〇予期せぬ納期変更などによる納期のひっ迫
〇予期せぬ大規模なクレームへの対応
〇 予期せぬ重大な機械のトラブルへの対応 などです。
ハローワークの求人票の記載ルール
ハローワークの求人票「4.労働時間」のポイントを見ていきたいと思います。
時間外労働あり 月平均〇〇時間欄
残業時間が月平均値で記載されています。
会社全体の残業時間ではなく、求人募集をしている部署の同職種の残業時間が記載されています。
36協定における特別条項があれば【特別な事情・期間等】が記載されます。
残業の上限時間は年360時間ですので、求人票に記載されている時間外労働は、月平均のため30時間以内となります。
(1年単位の変形労働時間制の場合は残業の上限が年320時間なので、月平均は27時間以内です)
特別条項については36協定届出の内容を記載することになっています。
【事例】残業時間は会社事情で様々
僕の会社は普段は残業ないんだけど
納期トラブルとかがあればめちゃくちゃな残業になるんだ。
とにかく商品ができるまで帰れないんだ。
俺のところは突然の大幅な残業はないよ。
そのかわり大体毎日1~2時間の残業があるんだ。
社長は増員して残業を減らしたいと考えているみたいなんだけど。
職場によって残業もまちまちだね。
残業なく帰れるとリフレッシュできるのになぁ。
残業は会社の状況で予期せず起こったり、恒常的にあったりと様々です。
マコト君の会社は特別条項の取決めがあるようですね。
お仕事探しをされている場合は、面接で「どういう状況でどれくらいの残業があるのか」を
確認してくださいね。
また、厚生労働省では週労働時間が60時間以上の労働者をなくす取組をしています。
まーちゃんのひとりごと
残業時間の上限、月45時間・年360時間を超えるとワークライフバランスが保てなくなると考える人が増えるのではと思います。
まーちゃんが、みなさんとお話していた感覚では社長さんもお仕事探しをしている人も月の残業時間の目安を20時間程度にしていることが多かったように思います。
【求人票】残業時間表記について解説!1ヶ月の上限から36協定における特別条項までのまとめ
いかがでしたか?
このブログで残業の基礎知識を身につけていただけたらうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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