有給休暇を取得する日は従業員が指定することによって決まりますが、労使協定を結べば、計画的に休暇取得日を割り振ることができます。
今回は、有給休暇の計画的付与について解説します。
有給休暇の計画的付与とは
有給休暇は、労働者の心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を保障するために付与された休暇のことです。(労働基準法第39条)
しかし、職場の環境によっては取得が難しく、十分に活用されていないという課題があります。(令和5年修了条件総合調査の概況)
有給休暇の取得を促進する方法として有給休暇の計画的付与制度があります。
有給休暇の計画的付与とは、あらかじめ取得する日を決めておき、その指定の日に有給休暇を取得する方法なので有給休暇の取得の確実性が高まります。
計画付与できる日数
有給休暇の付与日数のうち5日を除いた残りの日数について、労使協定を結べば、計画的に休暇取得日を割り振ることができます。
最低5日は従業員が好きなときに取得できるように残しておかなければなりません。
メリット・デメリット
有給休暇の計画的付与制度を導入することにより、従業員にとってはためらわずに有給休暇を取得できるメリットがあり、会社にとっては事業運営や労務管理がしやすくなります。
デメリットとしては従業員の有給休暇取得の自由度が低くなることです。
有給休暇の計画的付与には
①全社で一斉に取得する「一斉付与方式」
②班やグループ別に交替で取得する「交替制付与方式」
③個人が取得計画に基づいて取得する「個人別付与方式」などがあります。
有給休暇が足りない(ない)場合
例えば、入社して間もない従業員には有給休暇がないことも多いと思います。
(法律上の付与は入社日から6ヶ月経過後)
もし、全社で一斉または所属する班やグループで計画年休が実施された場合、有給休暇のない従業員の休みをどう取り扱うかが問題になります。
方法としては
①特別な休暇を付与する
②有給休暇のない従業員も同じように休ませるのであれば、平均賃金の60%以上の休業手当を支給する が考えられます。
【事例】計画的付与 有給休暇足りない!
今度の一斉計画年休のことなんだが
次郎さん、体調を崩して有給休暇をたくさん使っているよね?
有給休暇足りないんじゃない?
次郎さんだけ出勤してもらうわけにもいきませんしね。
みんなも次郎さんが体調不良で有給休暇を取得したことを知っているし
次郎さんに特別の有給休暇を取ってもらおうと思うけど。
次郎さんにだけ特別休暇を設けると他の従業員と不平等になることを心配する社長さん。
予め特別休暇の条件を定めておくとよいですね。
- 事業場全体の休業による一斉付与を検討しています。事業場の労働者の中には、年休権がない労働者や年休日数の少ない労働者がいますが、どのように扱えばよいでしょうか。
- 事業場全体の休業による一斉付与を導入する場合、年休権がない労働者や年休日数の少ない労働者については、計画的付与の対象とすることはできないので、使用者は、特別の休暇を与える、年休の日数を増やす等の措置を講じることが望ましいものです。
引用元:年次有給休暇の計画的付与について(厚生労働省)
まーちゃんのひとりごと
求人票の休日欄で夏季休暇3日(年休)と書いてあれば、計画年休を指していると思います。
求人票から多くの情報を読み取ってくださいね。
有給休暇計画的付与とは?有給足りない場合どうなるの?について解説!のまとめ
いかがでしたか?
有給休暇をしっかりと取得し、リフレッシュしてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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