年次有給休暇が付与される要件の1つが雇い入れの日から6か月経過していることですが、入社してすぐの従業員でも不安なく働けるよう有給休暇を入社後すぐに付与している会社も多いようです。
今回は、有給休暇の分割付与(前倒し)について解説します。
有給休暇が付与される要件
年次有給休暇が付与される要件は2つあります。
(1)雇い入れの日から6か月経過していること、
(2)その期間の全労働日の8割以上出勤したこと、の2つです。
この要件を満たした労働者は、10労働日の年次有給休暇が付与されます。
有給休暇は、働くうえで心身の疲労回復やリフレッシュ効果など従業員にとって大きなメリットがあります。
*所定労働日数が少ない労働者には、通常の労働者とのバランスを考慮して定められた日数と付与す ることにされています。厚生労働省㏋
有給休暇の分割付与とは
有給休暇の付与が、法定通りだと入社直後に病気や家族の事情で休暇が必要になった時、「欠勤」になって給料が減ってしまいます。
そのため「有給休暇の分割(前倒し)付与」をされる会社も多いようです。
有給休暇の分割付与とは、6ヶ月待たずに有給休暇の一部を付与することです。
この制度があれば安心して仕事に専念できますね。
【事例】有給休暇分割付与の例
子育て中なんですね。我社は有給休暇の付与を入社時点に3日、
6ヶ月経過後に7日としているので、試用期間中でも有給休暇取れるし安心して働いてほしい。
有給休暇がすぐに取れるんですか?
そうしているんだ。
入社後すぐに有給休暇を取りたいのに無理して仕事も影響があるといけないからね。
仕事と家庭を両立させて欲しいんだ。
安心して働けます。
あすから頑張ります!
有給休暇の分割付与は会社にも従業員にもメリットがありそうですね。
有給休暇の分割付与を行う際の注意点
有給休暇の分割付与には、注意点があります。
それは有給休暇の分割付与は、入社初年度のみ認められていることと、有給休暇の2回目の基準日です。(平成6年1月4日基発1号)
たとえば4月1日に入社した従業員について、入社日に3日の有給休暇を分割付与し、法定の基準日である10月1日には、10日から3日を差し引いた、残りの7日を付与したとします。
2回目の基準日は「初回の分割付与を行った日」の1年以内に定めなければならないとされているので、もともとの法定の基準日(入社後6か月後)の10月1日ではなく4月1日が2回目の基準日になります。
そして以降の基準日は4月1日です。
まーちゃんのひとりごと
有給休暇の分割は多くの社長さんから導入しているよとお伺いしました。
従業員が働きやすいよう配慮されている会社が多いんですね。
ただ、次の有給休暇の付与日が「初回の分割付与を行った日」になることをご存じなかったように思います。
もともとの法定の基準日ではないことに気をつけてくださいね。
【有給休暇入社後すぐ】分割付与を行った場合の注意点と2回目の付与基準日は?について解説のまとめ
いかがでしたか?
年次有給休暇の取得は、労働者の健康と生活に役立つだけでなく労働者の心身の疲労の回復、生産性の向上など企業にとっても大きなメリットがあります。
ぜひ有給休暇の取得しやすい職場環境を整備してくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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