「月給25万円って書いてあるけど、実際の手取りはいくら?」
「手当ありって書いてあるけど、毎月もらえるの?」
──求人票の「賃金欄」は、見た目の数字だけではわからない情報がたくさん隠れています。
今回は、ハローワークで33年勤務した元職員のまーちゃんが、求人票の賃金欄を深掘りして「失敗しないための見方」を徹底解説します。
賃金・手当の見方
賃金欄の構成を正しく理解しよう
求人票の賃金欄には、以下のような項目が並んでいます。
それぞれの意味を理解しておくことで、「実際に受け取れる金額」や「将来の収入の伸び方」が見えてきます。
●基本給
昇給・賞与の計算の基準となる金額です。
基本給が低いと、将来的な賃金の伸びが期待しにくいこともあるようです。
●定期的に支払われる手当
資格手当・業務手当・住宅手当など、毎月安定して支給される手当です。
生活費の見通しを立てるうえでも重要な項目です。
●その他の手当
皆勤手当や歩合給など、条件を満たした場合に支給される手当です。
安定収入として考えるには注意が必要です。
●固定残業代(みなし残業代)
あらかじめ一定時間分の残業代を含めて支給される制度です。
何時間分が含まれているのか確認しておきましょう。
残業手当・深夜手当・休日手当は、労働基準法で支払いが義務付けられているため、求人票に記載がなくても支給されるのが前提です。
★求人票の賃金は手取り金額ではありません。
「月給25万円」と書かれていても、実際の手取りは?
滋賀労働局の早見表を参考にすると、社会保険料や所得税などの控除を差し引いた手取り額は、約21万円前後になります。
→ 総支給額25万円 − 控除約39,000円 = 手取り約211,000円
求人票の金額は「税込み表示」であり、実際の受け取り額とは差があることを意識しておきましょう。(社会保険料等・所得税控除見込額早見表(滋賀労働局)
🖊固定残業代の注意点
1.「月給〇万円」と記載されていても、固定残業代が含まれている場合は、基本給が想定よりも低く設定されていることがあります。
固定残業代制度を導入している職場では、「残業するのが当たり前」という空気があり、定時で退社しづらい雰囲気が広がっていることもあるようです。
2.求人票に「月平均残業10時間」とあるのに、固定残業代が30時間分支給されているなど、不自然な場合は要注意です。
給与体系の違いを理解しよう
求人票には「月給制」「日給月給制」「日給制」などの表記がありますが、それぞれの違いを確認しましょう。
給与体系 | 概要 | 特徴・注意点 |
月給制 | 毎月決まった金額が支給される。 | 欠勤・遅刻・早退でも減額されず、安定した給与体系(※賞与で勤怠控除される場合も) |
日給月給制 | 月額で決まっているが、欠勤・遅刻・早退があるとその分差し引かれる。 | 欠勤控除の計算方法は会社ごとに異なる。 |
日給制 | 1日ごとの金額が決まっていて、働いた日数に応じて支給される。 | 月の勤務日数によって支給額が変動。「日給月給」と混同しやすいが、こちらは完全に日数ベース。 |
🖊ポイント
- 「月給〇万円(欠勤控除あり)」→ 日給月給制の可能性
- 「日給〇円」→ 日給制。週・月の収入見込みを計算しておくと安心
- 「月給〇万円」でも、実質は日給月給制の場合があるので面接で確認を
まとめ|賃金・手当の見方
求人票の賃金欄には、見た目以上に多くの重要な情報が含まれています。
月給の金額だけで判断せず、月給の内訳、各種手当の支給条件、昇給の実績などもしっかり確認することが大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
求人票の本音を見抜く力を、さらに磨いていきましょう。
次回の記事はこちら👉【転職・応募条件の見方】ハローワーク求人票の職場選びのポイント【第5回】
次回もご覧くださいね。
「ハローワーク求人票の職場選びのポイント」シリーズ
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