歩合給制について導入を検討されたことがありますか?
成果や売上げで評価される歩合給制ですが、労働基準法の規制は適用されます。
今回は、歩合給制についてわかりやすく解説します。
歩合給制とは
歩合給制とは労働の成果や出来高に応じて給与を決める方式ですが、
労働基準法第27条には成果や出来高が少ない時も労働時間に応じて一定額の賃金を保障しなければなりませんと定められています。
一定額の賃金とは「少なくとも平均賃金の100分の60程度」と考えられており、また
歩合給制であっても最低賃金法が適用されるため、最低賃金を下回ることはできません。
完全歩合制は雇用では違法になりますので、雇用で働く場合の歩合給制とは
歩合給制=固定給+歩合給となり、固定給部分があるため毎月一定の額の給与が確保され、それにプラスする形で仕事の成果に応じ、歩合給が支給されることになります。
歩合給制が活用されている職種は
営業(保険・不動産)、自動車ディーラー、タクシードライバーなどに多く導入されています。
求人広告を見ても顕著ですね。
歩合給にも残業代が必要
業績がよければ給料が上がり、悪ければ下がる歩合給は、成果のみで評価されると考えられることから、残業代は発生しないように思われがちですが、
歩合給であっても、時間外労働や休日、深夜労働をした場合には割増賃金が発生します。
そのため、歩合給制であっても、労働時間の管理が必要になります。
歩合給の残業代の計算方法
1.歩合は、労働者が実際に労働したすべての時間の出来高に対して支払われるものなので、歩合給部分については、総労働時間数で割り、1時間あたりの賃金を計算します。
2.1で時間単価部分は支払い済みなので残業代としては、0.25%を支払えばよいことになります。
歩合給÷総労働時間=1時間あたりの歩合給
1時間あたりの歩合給×0.25以上=1時間あたりの歩合給の割増賃金
1時間あたりの歩合給の割増賃金×残業時間数=歩合給の残業代の金額
【事例】実際に計算してみましょう
残業代を計算していきます。
今月のはじめくんは
基本給170,000円 歩合給100,000円(所定労働時間数170時間)残業30時間でした。
僕の残業単価はいくらになるの?
【固定給】基本給÷所定労働時間で
残業単価を計算すると
170,000円÷170時間×1.25=1,250円
次に【歩合給】
100,000円÷200時間×0.25=125円
合わせて残業単価は1,375円ね。
歩合給にも残業代払ってもらえるんだね。
でも、170時間じゃなくて総労働時間の200時間で割る計算になるんだね。
歩合給の場合には実際に労働したすべての時間に対する手当であることから、時間外労働の時間部分についてもすでに支払済みなので、0.25分以上の支給で足りるとされているのよ。
整理すると
基本給170,000円 歩合給100,000円
所定労働時間数170時間、残業30時間なので
170,000円÷170時間₌1,000円・・・固定給分の時間給
1,000円×1.25₌1,250円(残業単価)
100,000円÷200時間₌ 500円・・・歩合給分の時間給
500円×0.25₌125円(残業単価)
はじめくんの残業単価は1,250円+125円₌1,375円 1,375円となります。
まーちゃんのひとりごと
窓口で「歩合給でないとね。これからは成果主義だよ」とお話をお聞きすることもありました。
でも反面、職場に不和が生じやすい、若手が育たないなどのデメリットもあるといわれています。
導入を検討される場合は従業員の意見も尊重して頂ければと思います。
歩合給にも残業代は必要!固定給+歩合給の計算方法についてわかりやすく解説!のまとめ
いかがでしたか?
雇用である以上、歩合給制にも労働基準法の適用があることをお伝えしました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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